率直に言う、格好いいから!
だって、ほかに何がある?!
オソロシアの前身であるソビエト社会主義共和国連邦で生産されていた超コピー、東ドイツから製造機械を持ち込んだといわれたのが始まり、ライカのエルマなどを外観だけコピーして中身はテッサというのは調べればいくらでも出てきます。
画質云々、利便性、構造、加工・製造技術、全てにおいて今の時代より劣るのに、それでもなお人を魅了し続ける古きよき時代に設計されたレンズ達。
香港の中古取引掲示板を経由し、400香港ドルで購入した今回のIndustar-50 50mm F3.5、調べた結果、ebayよりはもちろん高い、ヤフオクよりも高い、高いけど、振り込み手数料や輸送費も足せばオレのほうが安いと自分を納得させて購入しちゃった☆
触ってみればすぐ気づくでしょうが、とにかく軽い、なんでも61gしかないので、キヤノンの貧乏人三種神器単焦点神EF50mmF1.8が130g、ざっくり半分の重量以下しかありません。
時代の割には造りは悪くありませんが、安物臭さがぷんぷんして400香港ドル(≒5,000円)する点では心境的に微妙な気がします。なんでも生産原価US$10といわれていますし、納得していいんだろうか。
もともとはエルマの贋物を買おうと考えましたけど、沈胴式の格好に惹かれて値段見たらうっとなりました。贋物で850香港ドル(一万円)はいけません、ほんとうに許せません。 (ヤフオクなら六千円前後)
しかも沈胴式レンズって伸縮すれば筒が削れるので、よほと状態がよくないと経年によるガタが問題になるではないかと思いまして、結局あきらめてしまいました。
仕方ないのでテッサ構造のIndustar-50に目標を変更しまして、値段も安いからということで購入。
マウントはM42、40Dにも付けられますが、フォーカシングスクリーンをマニュアルレンズ用に変更しないとボケる可能性も考えて、ここまMにそのアダプターを購入しました。
設計がテッサになるので、モノクロ写真時代に色は不必要もあって、色の調整は最初からされてません。
テッサの設計は数学者であるパウル・ルドルフが1902年で発表しました、当時はF6.3が基準でした。その後ヴァンデルスレブが二段近いF4.5、更に1919年ウィリー・ウォルター・メルテが今のF3.5に設計変更しました。
パウル・ルドルフはF6.3より明るくするべきではないと今ではとても信じられない考え方を持ってると言われてます、と言うことはテッサの基本はF6.3になるので、F6.3であろう世界をメインに撮ってみました。
日本はとにかく高解像度、歪みのないものを造りたい、そー考えるメーカーが多い、その結果として日本は世界でも屈指の高品質低価額量産技術を手に入れました。本来それが肉眼に映ったものを記録媒体にするための基本と言えることだが、写真=芸術となればこれが違ってきました。
創作と言うのは個々個人が持つ感受性に任されます、『いい写真のセオリー』など堅苦しい規則にとらわれず、極論を言えばカメラの使い方が知らなくても『芸術』には到達できます。無論その大前提としては評価する芸術家以外、一般人にとっても『芸術性』があると感じさせなくてはいけません。
そこで生まれたのがLOMOと言われてます。
芸術とあまり縁のない人生を歩むフランクからすれば、LOMOの偶発的な芸術は創作者の感受性をほとんど関係しない状態で発生するので、これが使用者の芸術性や感受性と無関係に出現してます。それなのになぜか誇らしく「オレの作品だ!」と威張るヤツが後を絶たない。