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20160105:写真数枚を差し替え
冒頭書くのもメンドクサイから、本文から行きますね。
念願のMeyer 35mm F4.5を入手しました。日本で。
ヤフオクで釣り上げようとしている人がいるみたいで、とりあえず一万円は下らない。どう考えてもF4.5のレンズがしかも面白みのないプリマゴンが一万円もうするなんて個人的にもそんな金は出せません。ウォッチしているけど入札することはありませんでした。
それが帰国前約一か月でまさかの三千円を見かけたから即入札、熾烈な戦いになるわけもなく、数人の入札後、あっさり手に入れました。
基本スペック
メーカー | Meyer |
名称 | Primagon |
外見 | シルバー |
生産時期 | 1957年(確定)生産1956 – 1962 |
焦点距離 | 35mm |
構成 | 4群4枚 |
絞り羽 | 10枚 |
最短撮影距離 | 0.4m |
画角 | 63?くらい? |
コーティング | シングル、V |
フィルター径 | 52mm |
寸法 | – |
フォーカスリング最大距離 | 330° |
重量 | 130g? |
マウント | Exacta、M42、M39 |
相場 | 8,000円 |
生産国 | 東ドイツ |
上位モデル | – |
個体ナンバー | 1766243 |
マイヤーの歴史については以前にも語ったことがあります。共産圏に翻弄されたあげく、95年の歴史に幕を閉じた悲運のレンズメーカーでした。かつてはカールツァイスに匹敵するほどのメーカーだっただけに、残念でなりません。
この35mmは戦後間もないマイヤー最大の広角でした。どういうわけか、マイヤーは広角を作るのは不得意のようで、ペンタコンに入ってからでも広角は不得意のままでした。この会社が倒産するまで、最大の広角レンズは29mmでしかありませんでした(ペンタコンで24mmMCタイプはありますが、マイヤー名義はありません)。
なぜ広角が不得意なのかはわかりません、その代わりとして、超望遠はすごく得意と言えます。
このプリマゴンがほしいにはそれなりに理由がある。もともと広角が不得意なオレだから、コレクションで50mmをメインに集めてきました。50mmの魅力についてはまたの機会でご紹介します。
35mmはどうしても広すぎるというか、余計なものまでファインダーに入ってしまうらしくてなかなか慣れません。
それでもこの暗い35mmがほしい。それは戦後マイヤーが作るシルバーボディー広角だから、である。
分かりやすく翻訳すると『カッコイイ広角がほしい』です。
Trioplan 100mm F2.8とシルバーボディーのおかげで香港と中国ではコイツの面白みもロクに理解してない連中が買いあさるから、いつの間にか値段も釣り上げられてしまいました。
香港で並品が一万円程度、程度のいいものは二万円以上する場合もあります。
今回帰国で入手できたコイツはとりわけ程度が良くて傷も少ない、ガラスのコーティングまで美しい、これで8,500円は文句つけようがありません。ヤフオクも捨てたもんじゃないです。
強いて言えばフォーカスリングを回すとザラザラな感じがすることでしょうか、気にしなければどうってこともないけど、やはり気になりだすと直すしかないと思います。
Exactaマウントだけど、裏はマイナスねじが3本のみ、簡単に外せると思います。
裏蓋のように取り外せます、ちょっと引っかかる感じがする理由はMeyer特有の抑えバネでしょう。
無くさないように保管しましょう、対角線上に二本あります。
無限遠に合わせて、無限遠の位置を覚えておきましょう。
この35mmは遊びや後調整ができないから、一発で合わせておかないと後で面倒になります。注意しましょう。
ヘリコイドの位置を覚えたらフォーカスリングを外しましょう。
50-2にも似たギリシャ文字が描かれていたんだが、同じ人が整備してたとか?まっさかー・・・
使用頻度が少ないのか、思ったよりもグリスの劣化は見られません。
でもザラザラした感覚はなんなんでしょうか。
ザラザラした感じから解放するためにも、フォーカスリング部分も分解する必要があります。
これ、かなりねじ距離が短いから一周でも足りないと無限遠が出せなくなります、今回も一発で完成できなかった。
多分ザラザラした原因はフォーカスリングにあると思われます。
洗った白ガソリンの中から砂?らしきゴミが落ちてました。
レンズ中心部は触ってないこから、部品も少ない、簡単な構造で初心者も苦労はしないはず
グリスアップ
終わってバネを抑えるための部品も取り付ければ完了します・・・、のはずだが
取り付ける前に、必ず二つの部品を別々にしてから取り付けましょう。
この作業をやらないと基本的にバネを押し込めないので、気をつけましょうね。
作例
解放でこれ、F4.5は伊達じゃない
ボケとはほとんど無縁のレンズでしょうね
入手後初日で撮ったものです
グルグルボケはほとんど見られません、ないならないで少しだけガッカリしてます
海外のサイトでは『いい天気じゃないと使えない』と称されるほどの暗さだけど、発色は素晴らしい
実はメンテ後のテスト撮影一枚目
まさか無限遠出てなかったとは、仕方ないからF8くらいまで絞って誤魔化しました
一応グルグルボケはでる、かなり狙ってやらないと難しい
それとこの時代のレンズ共通の問題だから特筆する必要もないでしょうが、周辺の画質はたとえF4.5でもやや甘い。